季節が変わるときの、ああ、今日から冬だな、と認識するときの感じ、あれはたぶん風が変わるときなんだね、という話をしてくれたひとがいて、その話ができる時間の流れや感覚に身をおいているその感じ、がとてもよかった。目に見えないものの話をしていたい、と思う。

最近、総合地球環境学研究所所長の山極寿一さんの講演を聴く機会があった。わたしたちが霊長類として進化した過程で、間違えたこと、残っていること。五感で感じ取る機能、言葉よりも音楽やリズムで「わかる」もの、直観、そして数値化できないものたち。

わたしたちは何を大事にしたらいいんだろう、と思いを巡らせるよい時間だった。何より自分の行く先が、風の流れが少し変わったような気になった。もう少し、いや、もっと感覚を信じてみようか。

この秋は、五感で書を味わってみませんか。特に、嗅覚。香りを静かに感じながら思うままに。

※お出かけ書道については、お申し込みは母家に直接お知らせください。

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櫻井育子(さくらいいくこ)
生涯発達支援塾TANE 代表(コーディネーター)

「違いは魅力」をテーマに、子どもから大人まで特性を活かしてのびのびと発達するための、アセスメントとコーディネートを行う。
 東北福祉大学福祉心理学科を卒業後,発達障害の子どもたちと出会い、宮城教育大学の大学院で障害児教育を学ぶ。2003年に「NPO石巻広域SSTの会アドベンチャークラブ」を立ち上げる。小学校,特別支援学校の教諭経験後,2016年に退職。生涯発達支援の重要性に気づき「生涯発達支援塾TANE」を主宰。書道塾taneは「誰でも調子に乗れる書道」をモットーに石巻、仙台、各地で移動開催中。TANE相談室も定期開催中。