今回の企画は、TANEの櫻井・坂部のふたりの得意分野(研究領域)が、実はゆるやかにつながり合いながらも、視点が異なることを生かした構成になっています。ふたりとも「多読」「多動」であること、一箇所に留まらない性質があるからこそ、「所属しない研究チーム」として、これまでやってきたことをまとめながら、「理論」と「実践」の「つなぎめ」にもなりたい、と思っています。

机上の学習、本による知識、専門的な研修、世の中にはたくさんの「知る」機会はあるものの、大人が自らの学びとするためには、「自分が腑に落ちる体験」としての実践が必要になります。しかし、それは単なる「実習」や「体験」ではないな、ということを漠然と考えていました。どうすれば、「腑に落ちる」というところまで行き着くのだろう。そんなことを考えながら、今回の挑戦でもありますが、大人にとっての本質的な学びとは何か?が全体のテーマとなっています。

大人が自らの発達を知り、自らの傾向をつかんでいくことで知り得た知識。つまり、アセスメントをベースとした学びというものを体験してもらうこと(セルフアセスメント)で、より「腑に落ちる」という感覚をつかみやすくなるのではないか、と考えています。

さて、TANEがベースとしていた「場を共有して学ぶ」というスタイルは、Covid-19の影響により崩される形となりました。しかし、ここで「学ぶ」「集まる」ということについて徹底的に捉え直すことも含め、ある意味では今後の私たちの「進化」と「発達」の実験として、基本的に全日程をオンライン開催といたしました。

というのも、この数カ月でやってみたことの中で、「オンライン」VS「リアル」という対立構造ではなく、「オンライン」と「リアル」をゆるやかに、柔軟に、状況に応じて乗りかえていく技術の方が重要なのかもしれないという気づきがありました。

つまり、コロナの問題は、「感染症そのもの」の問題ではなく、現時点における最適なコミュニケーション手段を持ち得ていたか否か、という部分にもあるのかもしれないということです。そんなにも難しく考えることではなく、ないならないで、あるならあるで、って感覚です。

もしかしたら、今後の発達理論の中に、「デジタル」という分野に対する発達について述べていくということになるかもしれません。その場合、もっとも発達しているのは、いわゆる「デジタル・ネイティブ」と言われる若者たち。つまり、私たち大人は、未発達の領域になる可能性があるのかもしれません。

そんなことをこの数カ月、うろうろ、つらつら、考えておりました。そんな話も少しできれば面白いかなあなど。

次回のご案内
第2回「発達と心理のつなぎめ」 
どんなふうに育つ?発達理論アレコレと自己理解  担当:櫻井育子

○2020年6月27日(土) 7月19日(日)
 9:30〜12:00

○オンライン&リアル会場
(日高見ギャラリー:石巻市立町2-6-25)

○参加費:3000円(資料代込み)

○お申し込みはこちらのフォームから○
※お申し込みの際は、オンラインかリアル会場のどちらでご参加希望か明記してください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScwmn1as1b4nhtZXrOtzsfpLFhf5twri3Mgf4_VDbeZ8yVMzA/viewform?usp=sf_link

○お支払い方法、zoom IDについてはお申し込み後、個別にメールいたします。

以下に、今後の予定をお知らせしておきます。

第1回 5/17(日)「文化と発達のつなぎめ」 からだであそぼ・感覚統合って?
終了しました。資料の販売はコチラ

第2回 6/27(土)7/19(日)「発達と心理のつなぎめ」 どんな風に育つ?発達理論のアレコレ
第3回 8/22(土)9/20(日) 「心理と教育のつなぎめ」 魅力を伸ばす「アセスメント」を学ぶ
第4回 10/17(土)11/15(日)「教育と文化のつなぎめ」 鑑賞教育とファシリテーション
第5回 12/26(土)1/17(日)「文化と福祉のつなぎめ」 ケアとアート・社会のいま
第6回 2/20(土)3/21(日) 「福祉と教育のつなぎめ」 人生100年時代の暮らしと学びを考える

※内容は変更になる場合があります。最新情報はFacebookページをご確認ください。


・・・つなぎめをまなぶ TANEのコーディネート講座とは・・・
「ミリョクのタネが芽吹く」
一人ひとりが魅力を発揮するためには、生活・仕事・遊び・学び、それぞれの場面で豊かな時間を過ごすことが欠かせません。
TANEでは「ひとは生涯にわたって発達し続ける」という考え方のもと、「心理」「発達」「教育」「福祉」「文化芸術」の領域を横断しながら、組織・支援者・個人をつなぎ、活動のアセスメントとコーディネートを行っています。
異分野をつなぐ「コーディネーター」として活動を行うための「統合的な学び」を、つなぎめを考える全6回の講座を通してお伝えします。

こんな方におすすめ!
・福祉や教育の現場を支えている職員の方
・子育てをしている方
・子育て支援に関わる方

各回、3000円(資料代込み)となります。

ファシリテーター:櫻井育子 坂部認



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櫻井育子(さくらいいくこ)
生涯発達支援塾TANE 代表(コーディネーター)

「違いは魅力」をテーマに、子どもから大人まで特性を活かしてのびのびと発達するための、アセスメントとコーディネートを行う。
 東北福祉大学福祉心理学科を卒業後,発達障害の子どもたちと出会い、宮城教育大学の大学院で障害児教育を学ぶ。2003年に「NPO石巻広域SSTの会アドベンチャークラブ」を立ち上げる。小学校,特別支援学校の教諭経験後,2016年に退職。生涯発達支援の重要性に気づき「生涯発達支援塾TANE」を主宰。書道塾taneは「誰でも調子に乗れる書道」をモットーに石巻、仙台、各地で移動開催中。TANE相談室も定期開催中。