お話があったのは1月過ぎ。学校に行くことができない子どもの相談がissyoにもあるとのことで、「子育てっていうと小さい子、のイメージ。でも、子どもは学校に行ってもどこにいっても家庭では子育てが続いているのに、学校に行った途端に子どもの問題は学校で!って感じ、どこに相談していいか分からない保護者がたくさんいるんです」という切実なお話を聞きました。(この場合、学校が相談先にはならないということも大きな問題ではあるのですが、とくに不登校の場合や学校体制に課題がある場合はなおさら相談しにくさが増しています。)

そうした中で、増え続けて行く不登校(この言葉ももはや変えたいですね)、根本解決するには学校のハード面の問題(教室設計、同年齢集団の学級、教員配置、デザインなど)が大いにあるのだと思うのです。しかしなぜか不登校になった子どもと家族の問題かのように語られてしまう、この現象そのものの違和感。

私がちょうど大学1年生のときに、宮城県は「適応指導教室けやき教室」(思えばすごいネーミングです)の事業に、学生ボランティアとしての「けやきフレンド」を導入。退職した校長先生と若い指導員の2人体制で運営されていたけやき教室に、私たちのような年の近い「お兄さん・お姉さん」的役割が入り、学習指導や遊びを一緒に行うというものでした。私はすぐに登録し、大学時代は県内のけやき教室を旅気分でボランティア三昧。夏と冬の合宿にもかかさず参加し、志津川の海に落とされたり、蔵王のスキー場で転びまくったり、花山の沢に飛び込んだりという日々でした。

自分も学校嫌いだったこともあるけれど、子どもたちのこだわりの強さや特性豊かな表現そのものが学級でおとなしくしていた自分なんかより輝いて見えたし、当時のけやきの先生方は「適応指導」なんてこれっぽっちも思っていない自由度の高さ、学生に活動を委ねてくれる信頼感。言い方が失礼ですが少なくとも当時、退職した校長先生たちの「暇そうな大人」という存在感は良かった気がします。(※20年以上前の話です。現在の状況は分かりません。)

たくさんの冒険を重ねた子どもたちは、登校刺激を受けることなく、のんびりと過ごして卒業し、それぞれの進みたい方向に向かっていました。わたしはベテラン学生ボランティアのようにお話が面白いわけでもなければ、特技があるわけでなし、卓球やバトミントンの相手をし(ことごとく負けるし)、ゲームや漫画を教えてもらうだけ(今思えばよく行ってたな、、、)この子たちの心のケア(この言葉も違和感でした)をしようだとか考えることもなく、自分から話しかけたり積極的なこともない、ただ「暇だから遊びにきた変なやつ」くらい。「適応」指導には最も遠い存在です。むしろ不適応万歳、くらいの存在です。それでも子どもたちはいつでも歓迎し、いろんなことを教えてくれるのです。

そもそも不登校がその子たちの問題だとは、これっぽっちも思っていませんでした。だからといって全面的に学校が悪いとも思っていません(もちろんいじめや差別があった場合は違いますが)。自分の経験してきたことを思えば、それはただ、「合わない」というシンプルな問題とどう向き合うかということです。それに対して、なにも代案がない状態で来てしまったこと自体の問題。学校と家族だけでなんとかしようとしてしまいすぎたような気もします。

今回の新型コロナウィルスはある意味では、そんな状態に「学校に行けなかったらどうやって学ぶのか」という問題を一気につきつけてくれました。そして子どもの権利とは何か、ということも。

「そーしゃる子育て」は、きっとこれからの時代に必要ないろんなものを含んでいるんじゃないかと思います。いろんな立場、いろんな大人、いろんな考え、分断するのではなく混ざり合わせるような。そんな場になったら嬉しいです。

主催者のこの文章は力強く、とてもいいなと思いました。じっくりお読みくださいませ。

関係機関の連携には関係者ひとりひとりがつながっている、出会っていることが大変効果的であり、地域全体のチーム力のアップにつながることを実感しています。ベビースマイル窓口では当初乳幼児の子育て相談が主でしたが今年度は学齢期の子育て相談が増え、 学齢期以降も子どもを真ん中にしながら子育て世代のエンパワーが求められていることを感じます。 「顔が見える子育て支援」を18歳までの子ども子育て関係者へ相互に広げる機会にしたいと思います。


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櫻井育子(さくらいいくこ)
生涯発達支援塾TANE 代表(コーディネーター)

宮城県石巻市出身。特別支援教育士。書道師範。東北福祉大学福祉心理学科を卒業後,宮城教育大学の大学院で障害児教育を学ぶ。インクルーシブ教育の研究をしながら,ソーシャルスキルトレーニングの団体で発達障害のある子どもたちと出会う。2003年に石巻市で,任意団体「NPO石巻広域SSTの会アドベンチャークラブ」を立ち上げる。小学校,特別支援学校の教諭経験後,2016年に退職し,「生涯発達」の視点から教育,福祉を考えるコーディネートチーム「TANE」を主宰。ひとりひとりの違いを楽しんで生きる社会の実現を目指しています。

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