1/28、大和町すぎのこ保育園の子育て支援事業の今年度最終回では「ぼたもち堂のパフォーマンス」と「発達とあそびのお話会」の豪華版。そして、午後からは保育士のみなさんの職員研修でお話しさせていただきました。
すぎのこ保育園の子育て支援事業は2年目となり、通算7回おじゃましたことになります。何度もお会いしている保護者の方や子どもたちもちょっとずつ慣れてきて、はじめは「なんじゃ、このひとたちは」という怪訝そうな表情でしたが、今回は坂部くんにくっついて離れないお子さんまで。弟子入りする!?というくらい、新聞紙パフォーマンスが上手になっていました。かわいい。今回、坂部くんが見せてくれた「新聞紙を使ったジャグリングパフォーマンス」には、0歳児もくぎづけ!!発達段階に合わせて「なにがおもしろいのか」を研究し続けるパフォーマー。プロフェッショナルさは最強です。
「子育て支援」ってなんだろう、はいつもテーマで考えているのですが、親という存在は、子が生まれて初めてなるものなので、それこそ第一子の場合はすべてが初体験なわけです。けれども、生まれた瞬間から「親」という属性を持つことになり、「親」として比べられたり、「親」という考えを持たねばならない気がしたり、「親」であることが自分にとっての最上位課題になってしまう感じ。この壮大なプレッシャーに、母親が押し潰されてしまうことは容易に想像できます。未熟なのがあたりまえなんです。それなのに、「子どもができて一人前」とか「子どもがいるんだからしっかりしなきゃね」なんて言われてしまう。
わたしには「子」がいませんから、そういう意味で言ったらいつまでも一人前ではなさそうです。それでもまったく気にしたことがないのは社会的(そーしゃる)子育て論を提唱しているからです。勝手に名付けましたが。子どもの環境を作っていくのは周りの大人ですから、すべての人が子育てに参加しているということになります。
だからこそ、子どものうちにいろんな大人に会っておくことが重要なんです。実は、親にとってもです。たとえば、なんとなく我が子が他の子と「ちょっとちがう」と思っても、それでいいと思える社会になっていない限り、やっぱりどうしたって不安なんです。そんなときに、「ちょうどテレビで見たんだけど、〇〇障害なんじゃないの?」なんて簡単に言われちゃう。こうした認識のズレ、言った方は善意だと思っちゃったりしてるのでますますややこしいのです。この人とはこんな関係、この人はこの子をこんなふうに見ててくれる、この幅が多様な方がいい。そうすると、「こんなふうに接してると、この子は落ち着いてるな」というのが分かってくるのです。おそらく「子育て支援」とは、「子どものいいところ探しに協力する大人たちの集団」さえできればいいのではないかと思います。
さて、午後からは保育士さんたちの研修です。園児たちがお昼寝の間の時間、2チームに分かれて交代制で行うというコンパクト研修。40分程度で発達のおはなしを「きゅっ」とさせていただきました。最初は坂部くんによる身体のワーク。この時間が結構楽しくて、大人としての自分自身の「感覚」に気づいていただく。日常生活ではどちらかというと指示をしたり、支援したり、集団を動かしたりしている側のみなさんの脳をちょっとシャッフルします。
今回のテーマは「みんなちがってあたりまえ」ということで、年度末で焦りがちなクラス経営や、特性の豊かな子、ゆっくり発達している子、いろんなタイプの子に寄り添うには、というお話をじっくりさせていただきました。ついつい「できる・できない」で区切ってしまい、将来を過剰に心配してしまったりします。が、子どもたちの持つ力をじっくりと「見る」ことと、実は無意識にしている「支援」を可視化していくことで、「どうやったらこの子は楽しく生きていけるんだろう」をチームで支援することができるようになってきます。
そういう意味では、「担任」も「親」と同じで、無言のプレッシャーを感じてしまっていたりします。子どもを無意識に比べてしまう心理の奥底には、自分自身も誰かと比べて生きているという体験があり、知らずに同一視していることもあるのです。
まずは自分たちが「比べるとできない。比べないとあたりまえ」であることに気づいていけたらいいなと思いました。今年度もお呼びいただき、ありがとうございました!