先日、県内の支援学校高等部3年生のメンバーが「生涯学習」について学ぶため、エイブルアートジャパン東北事務局に校外学習で研修に来てくれた。昨年から私もプロジェクトスタッフとして「スウプノアカデミア」(文部科学省のモデル事業として仙台市と協働している事業です)のコーディネーターをしているので、今回の校外学習も一緒に参加することに。久々に支援学校の授業に参加できるという喜びで、わくわくしながら待っていた。

まずは、事前学習で行ってきた、①自分の好きなこと、②将来の夢や願い、なりたい自分、③卒業したらやってみたいこと、チャレンジしたいこと、④平日の楽しみ方(仕事の後)、⑤休日の楽しみ方、⑥長期休暇の楽しみ方、についてスライドにまとめてきたみなさんの発表を聞く。なんとみなさん、一人ずつパワーポイントに自分たちでまとめてきたとか!その堂々とした発表にわたしたちもひたすら感心するばかり。そして、エイブルアートジャパンのみなさんに聞きたいことのコーナーでは、「卒業したら頼っていいですか?」「どんなことができますか?」「どういう思いの人が来ていますか?」「これから目指したいことは?」などと深い質問までが飛び出す。

いろんなことを「学びたい」というこの意識の高さ、自分たちの将来への期待にわくわくしている姿、これはもう、もっといろんな人たちに聞いてほしい!と思った。その「願い」って、聞いてもらえなかったらきっと誰に言っていいかわからないものなんだと思う。卒業する前にこんなふうにイメージしておけるって、いいなあ。何かあったら頼れるんだ、話を聞いてもらえるんだ、いろんな人に会えるのかもしれない、ということが分かるだけでも安心するんじゃないかなあ、としみじみ思えた。

みんなの発表と質問のあとは、「スウプノアカデミア・ミニ」ということで、「鑑賞してみよう!」というプログラムに参加してもらう。これは、昨年も好評だった「みんなの見えかた」を楽しむ講座。仙台フォーラスの7階は、ギャラリースペースでもあり、この日も次の日からの作品の搬入をしている最中だったのだが、常設作品なども含めて、それぞれ気に入った作品を探してみる。その前に、「作品の見方」について教えてもらう。まずは、この絵をみんなで観てみる。発見したことを色々と語ってもらうと、4人とも自分なりの見え方をたくさん言ってくれた。

自由に観ていいことが分かり、それぞれペアで移動しながら好きな作品を探しに。短時間だったが、それぞれが印象的な作品を選んで、おもしろい見方をしていた。安心してこの場を楽しんでくれたこと、普段から自分の意見をたくさん聞いてもらっているからこそかもしれない。こういう何気ないところに、クラスの雰囲気とか先生との信頼関係とかが垣間見える。こんな素敵な校外学習の時間を作れること自体、すごいことかもしれない。

「生涯学習って大事ですね」「18歳からの場が必要ですね」という話にはなっても、こんなふうに具体的に場を体験することで一気にイメージが広がるに違いない。今回は鑑賞だけだったが、「話ができる大人がいるらしい」「こういう場所があるらしい」と知ってもらったことで、広がる世界があるかもしれない。

知らなければ見えないことが、たくさんある。
知っていれば探せるものも、たくさんある。

とても楽しいメンバーだったので、エイブルアートチームはみんなが帰ってからも大絶賛。「また会いたい!」「仙台に来てくれるかな?」と盛り上がった。ぜひまた会いましょう。そして、今年度の「スウプノアカデミア」もお待ちしています!



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櫻井育子(さくらいいくこ)
生涯発達支援塾TANE 代表(コーディネーター)

宮城県石巻市出身。特別支援教育士。書道師範。東北福祉大学福祉心理学科を卒業後,宮城教育大学の大学院で障害児教育を学ぶ。インクルーシブ教育の研究をしながら,ソーシャルスキルトレーニングの団体で発達障害のある子どもたちと出会う。2003年に石巻市で,任意団体「NPO石巻広域SSTの会アドベンチャークラブ」を立ち上げる。小学校,特別支援学校の教諭経験後,2016年に退職し,「生涯発達」の視点から教育,福祉を考えるコーディネートチーム「TANE」を主宰。ひとりひとりの違いを楽しんで生きる社会の実現を目指しています。