学校が休みになる。という情報は、もし自分が子どもだったらどう受け止めたかな、と思う。多分、学校が嫌いだったので「やった!」と思うだろう。もし学校が大好きだったら、「寂しい、つまんない」って思うんだろうな。

「ころなうぃるす」ってなに?怖いの?みんな騒いでるし。そんな中で、「あべしゅしょう」って人が、怖い顔で、「きゅうこう」って言ったよ。みんな、「かんせん」をしないように、って怖がってるんだ。だから休みになるってことか。

子どもとは言っても、たくさんの情報に触れているだろう。そんな中で、子どもたちは必死に今を生きている。大人だってそうだろう。しかし、今回感じたのは、「子どもを預けられない」、「現場はどうなる」、「共働きは」、「シングルマザーは」という部分にクローズアップされすぎて、肝心な子どもたちの不安ということがあまり表面化されないところが気がかりだ。

私は母子家庭であり、母にあらためて、「もし、私が小さい頃にこうなったら、あなたはどういうことを感じたか?」と聞いてみた。すると、「うーん、困らないね。一緒に職場に行くよね。まず。」と答えた。「あとは、早めに帰るとか。たかが1ヶ月でしょう。給料減ってもいいから休むと思うよ。」と。確かに、母はこういう人だった。だから私は小さい時に、安心して学校に行きたくないと言えたのだった。自分のことは自分で守る。自分のことは自分で決める。子どもを守るために、自分の環境を整えるような人だった。(わざわざ時間の短い職場を選んだりもした。もちろん、自分が遊びたいから一緒に休んじゃおう、というところもある母だった。自分の遊びの保証も忘れない。)

障害がある子どもたちは、基本疾患がある子どもも多いため、休校にならないことは不安に感じる場合も多いであろう。しかし一方で、「預けられない」「留守番できない」が理由で、特別支援学校や厚生労働省管轄の放課後等デイサービスはフル稼働である。

学童保育や一時預かり、いろんな手段、「誰が面倒を見てくれるのか」と言わんばかりの展開も一部ある。文科省は、人手の足りない学童に教員を、なんてことも言い出した。問題はそこではない。だったら学校を開いた方がいいのでは?

学校は、「預かる」という機能ではなく、「学ぶ」場所であるということ。そして、何より問題は「感染」という限りなく不安な状況で子どもたちが不安で過ごすかもしれないということ。

「感染するかもしれないし、安全だから、お家にいようね。あなたのことが大事だからね。」ということがあっさりと言えない現代ということ自体が、問題なのではないだろうか。それは決定の段階で、休校→だれが見てくれるの?、ではなく、休校→親の休業補填あるのね!となればこんな風にはならなかっただろう。一方で、個人的な部分での普段からの働き方や過ごし方を見直してみようという視点もあっていい。こういう時だからこそ、ちゃんと分かってもらえる上司だっただろうか、ということや、職場に分かってもらおうとしてみよう!(言ったら割と受け入れてくれた!)なんてことも起きている気もする。

実際に、「大変だったら、一緒に遊べるよ〜」という声が集まっている地域やコミュニティもある。その小さな世界の幸せをもっと大事にできればいいと思うし、親子で楽しく過ごせる機会(おかげでみんな安心して一緒に居られるよ)という発想の転換も聞こえてくると嬉しい。リモートワークへの転換、いろんな生き方への方向性の模索もあるだろう。

もちろん、学校が逃げ場になっているという家庭の場合だってある。とにかく、「その子にとって、どこが一番安全か?」を全員で考えるという基本的なことをできることが重要で、それが大人の、社会の責任というもので、子どもたちはそれをきっと冷静に見ている。そして覚えているだろう。あのとき、「何を大事に動いたのか?」ということを。

肝心の、「子どもの気持ち」というのを置き去りに、大人だけでああだこうだと決めたり子どもの前で嘆いたり文句言ったりするのは、やはり子どもたちに失礼なんじゃないか、と思っただけなのである。

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櫻井育子(さくらいいくこ)
生涯発達支援塾TANE 代表(コーディネーター)

宮城県石巻市出身。特別支援教育士。書道師範。東北福祉大学福祉心理学科を卒業後,宮城教育大学の大学院で障害児教育を学ぶ。インクルーシブ教育の研究をしながら,ソーシャルスキルトレーニングの団体で発達障害のある子どもたちと出会う。2003年に石巻市で,任意団体「NPO石巻広域SSTの会アドベンチャークラブ」を立ち上げる。小学校,特別支援学校の教諭経験後,2016年に退職し,「生涯発達」の視点から教育,福祉を考えるコーディネートチーム「TANE」を主宰。ひとりひとりの違いを楽しんで生きる社会の実現を目指しています。

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