個別相談、その他できる限りのことはオンラインに切り替えた。今まで、直接訪問していた家庭訪問や、教育相談は、zoomやLINEのビデオ通話でも可能なことが分かり、むしろホワイトボード機能や画面共有などができるおかげで、リアルでのやりとりよりも情報共有がしやすいかもしれない。

家族の中でどう過ごすのか、これが一番の問題だという家庭もある。そもそも、外出することでバランスを保っていたという家庭の場合は、家に人がいるということがストレスになる。震災後も問題になっていた。人は、日常が変化することでバランスを失う。些細なことではあるが、それぞれが「自分の時間」をどう作っていたのか、そして家族とどう向き合ってきたのか、そういうものが今、露呈しているのだと思う。

以前、こちらでも書いたが、「休校」そのものが問題なのではなく、それを受け入れる「社会」と「制度」の問題だと思うことはたくさんある。社会福祉の制度は、ウェルフェア(welfare)=ウェルビーング(well-beig)という理念に変わった。これは、「社会的弱者を保護してサービスを享受する」という受動的な福祉観から、「あらゆる個人が主体性をもち自己実現を保障する」という能動的な福祉観になったのだ。

しかし、実際には理念にはほど遠い。その中で、受けられるサービスを受動的に受けていた結果、「サービスがあたりまえ」にもなり、「サービスに選択肢なし」のような結果も招く。それでも不満を言おうものなら、「贅沢だ」と言われ、「あるだけありがたい」みたいな状態は、福祉分野には今だにたくさんあるので悲しい。

話が逸れたが、私がちまちまと行っている、「家族SST」、「家族サポート」、「サポートブックの作成」は、家族の中で、子ども(あるいはパートナー)の特性について深く理解し、対応方法や他者への説明が可能になることを目指している。これは、「あらゆる個人が主体性を持ち自己実現を保障する」という状態に社会を導くためにはとても有効だと思う。そこに、第3者が介入していくことで、客観的に「家族」を見守ることができる。

「家族」はときに閉鎖的で排他的になる。その状態を冷静に一緒に寄り添う第3者がいるというのは、様々な問題の予防にもなる。それは、サービスという既存の制度だけでは難しいこともあるのかもしれない。

ということで、オンラインでの家庭訪問、家族サポート、見守りは、実はこれまでの家族の閉鎖的環境にも有効かもしれないと思いました。(PCではなく、あらゆるモバイルで可能なので、先日は父、母、子の3台でつないで、zoomのホワイトボードを使って家族会議サポートをしたところ、リアルでやるよりも意見が出やすかったりしました。)

新年度のはじまりに、サポートブックの作成をすることで家族も安心して学校と連携できるようになります。相談業務もオンラインで可能ですので、遠方でも大丈夫になりました。閉鎖空間の中での困りごとなども含め、お問い合わせください。

ちなみに、こちらは気分だけでも出かけたつもりになれる車内ミーティングルーム、大活躍中です。桜見ながらミーティングができるメリットつき。楽しいことだけ考えて過ごせば免疫力も高まります。

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櫻井育子(さくらいいくこ)
生涯発達支援塾TANE 代表(コーディネーター)

宮城県石巻市出身。特別支援教育士。書道師範。東北福祉大学福祉心理学科を卒業後,宮城教育大学の大学院で障害児教育を学ぶ。インクルーシブ教育の研究をしながら,ソーシャルスキルトレーニングの団体で発達障害のある子どもたちと出会う。2003年に石巻市で,任意団体「NPO石巻広域SSTの会アドベンチャークラブ」を立ち上げる。小学校,特別支援学校の教諭経験後,2016年に退職し,「生涯発達」の視点から教育,福祉を考えるコーディネートチーム「TANE」を主宰。ひとりひとりの違いを楽しんで生きる社会の実現を目指しています。

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