季節が変わるときの、ああ、今日から冬だな、と認識するときの感じ、あれはたぶん風が変わるときなんだね、という話をしてくれたひとがいて、その話ができる時間の流れや感覚に身をおいているその感じ、がとてもよかった。目に見えないものの話をしていたい、と思う。
最近、総合地球環境学研究所所長の山極寿一さんの講演を聴く機会があった。わたしたちが霊長類として進化した過程で、間違えたこと、残っていること。五感で感じ取る機能、言葉よりも音楽やリズムで「わかる」もの、直観、そして数値化できないものたち。
わたしたちは何を大事にしたらいいんだろう、と思いを巡らせるよい時間だった。何より自分の行く先が、風の流れが少し変わったような気になった。もう少し、いや、もっと感覚を信じてみようか。
この秋は、五感で書を味わってみませんか。特に、嗅覚。香りを静かに感じながら思うままに。
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